皆さん、こんにちは。大阪府箕面市のおもと歯科クリニックです。
歯医者さんには子どもが通う「小児歯科」がありますが、具体的にどのようなことをしているのかご存じでしょうか? 当院にもたくさんのお子さんが通われています。お子さんの歯を守るためには、適切な時期に適切なケアを行うことが大切です。本記事では、小児歯科の役割や受けられる治療、一般歯科との違いについて詳しく解説します。
▼そもそも小児歯科とは?
小児歯科は、乳歯が生え始めた赤ちゃんから永久歯が生えそろうまでの子どもを対象とした歯科診療科です。乳歯は大人の歯と比べて弱く、むし歯になりやすいため、適切なケアが必要です。さらに、成長に伴う顎の発達や噛み合わせの変化を考慮しながら治療や予防を行うのが特徴です。
小児歯科では、むし歯の治療だけでなく、むし歯の予防や歯並びの管理、口腔機能の発達をサポートすることも重要な役割を担っています。特に、お子さんの成長に応じた口腔ケアの指導を行うことで、生涯にわたる健康な歯を育てる基盤を作ります。
▼小児歯科で受けられる処置・治療
◎むし歯の予防
小児歯科では、むし歯予防のためのフッ素塗布やシーラント処置を行います。フッ素にはエナメル質の再石灰化を促進し、酸による歯の脱灰を防ぐ効果があります。特に、乳歯や生えたばかりの永久歯はエナメル質が未成熟であるため、フッ素を定期的に塗布することが重要です。また、奥歯の咬合面(噛む部分)は深い溝があり、食べかすやプラークが溜まりやすい場所です。これを防ぐために、シーラントという歯科用樹脂を溝に詰め、物理的にむし歯の発生を抑える処置を行います。
◎むし歯の治療
乳歯がむし歯になると、永久歯の歯並びや噛み合わせに影響を及ぼすだけでなく、細菌感染によって永久歯の形成不全や生え方の異常を引き起こす可能性があります。小児歯科では、歯を削る量を最小限に抑え、できるだけ歯質を温存する治療を行います。また、痛みを軽減するために、表面麻酔や笑気麻酔を併用することもあり、治療時のストレスを最小限にする工夫がされています。
◎歯並びや噛み合わせの管理
子どもの顎は成長とともに変化し、それに伴い歯並びや噛み合わせの問題が発生することがあります。例えば、乳歯が早期に抜けてしまうと、隣の歯が移動し、永久歯が正しい位置に生えにくくなることがあります。こうした問題を防ぐために、スペースを確保する装置(保隙装置)を用いることがあります。また、受け口や開咬などの不正咬合を早期に発見し、必要に応じてマルチファミリーやマウスピース型矯正装置を用いた治療を行うことで、成長を利用した矯正が可能になります。
◎口腔機能の発達サポート
指しゃぶりや口呼吸、舌突出癖などの口腔習癖は、歯並びや噛み合わせに大きな影響を与える要因です。例えば、長期間の指しゃぶりは上顎前突(出っ歯)の原因となることがあり、口呼吸は口腔内の乾燥を招き、むし歯や歯肉炎のリスクを高めます。小児歯科では、こうした習慣の改善をサポートするため、口腔筋機能療法(MFT)を行うことがあります。これは、舌や口周りの筋肉のバランスを整え、正しい嚥下や発音を促すトレーニングです。
▼一般歯科じゃダメ?小児歯科を受診するメリット
「子どもの歯も一般歯科で診てもらえないのですか?」と疑問に思う方もいるかもしれません。もちろん一般歯科でも子どもの治療を行うことは可能ですが、小児歯科には専門的なメリットがあります。
【メリット1】子どもに特化した診療環境
小児歯科では、お子さんがリラックスして治療を受けられるよう、院内の雰囲気や診療の進め方に工夫がされています。怖がりやすいお子さんでも、優しく丁寧に接することで安心感を持てるように配慮しています。
【メリット2】成長に合わせた適切な治療と予防
子どもの歯は発達段階に応じて適切なケアが必要です。小児歯科では、お子さんの成長に合わせた治療計画を立て、長期的に口腔の健康をサポートします。
【メリット3】予防意識の向上
小児歯科では、むし歯や歯並びのトラブルを未然に防ぐための指導を積極的に行います。親御さんへのアドバイスも含めて、家庭でのケアを強化できる点が大きなメリットです。
▼まとめ
小児歯科は、単なるむし歯治療だけでなく、予防や歯並びの管理、口腔機能の発達サポートを行う重要な診療科です。特に、乳歯から永久歯に生え変わる時期は、歯と顎の成長が大きく関わるため、専門的な診察が必要になります。
お子さんの歯の健康は、将来の口腔環境に影響を与えます。むし歯になりやすい乳歯の段階から適切なケアを行うことで、健康な永久歯を育てることができます。ぜひ、お子さんの歯の健康を守るために、小児歯科を活用してください。大阪府箕面市のおもと歯科クリニックには、子どもが安心して診療を受けられる女性歯科医師が在籍していることに加え、お子さんが待ち時間を楽しく過ごせるキッズスペースも完備しております。
記事の監修 おもと歯科クリニック 院長 尾本直大 ![]() |