フッ素ってなに?危険性はある?|おもと歯科クリニック|大阪府箕面市の歯医者

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フッ素ってなに?危険性はある?|おもと歯科クリニック|大阪府箕面市の歯医者

フッ素ってなに?危険性はある?

皆さん、こんにちは。大阪府箕面市のおもと歯科クリニックです。

 

歯の健康を守るために「フッ素」が有効だと聞いたことがある方も多いことでしょう。しかし、インターネットなどでは「フッ素は危険」といった情報も目にすることがあり、本当に使っても大丈夫なのか不安を感じる方もいらっしゃるかもしれません。そこで今回は、フッ素の基本的な性質やむし歯予防の効果、そして適切な使用方法について詳しく解説します。正しい知識を身につけ、お子さんから大人まで歯の健康を守るために役立ててください。

 

▼そもそもフッ素とは?

フッ素は自然界に広く存在する元素であり、海水や土壌、動植物にも含まれています。私たちが普段口にする飲み水や野菜、魚介類、茶葉などにも微量のフッ素が含まれており、日常的に摂取している成分のひとつです。

 

◎フッ素の特性

フッ素の特性として、歯や骨と結びつきやすい性質があります。そのため、歯のエナメル質を強化し、むし歯になりにくい歯を作るのに役立ちます。また、フッ素には細菌の活動を抑える作用があり、むし歯菌が酸を作るのを防ぐ働きもあります。こうした特性から、歯科医療ではフッ素がむし歯予防に活用されてきました。

 

海外では、水道水に適量のフッ素を添加する「フッ化水道」が実施されており、むし歯予防の効果が証明されています。日本では水道水へのフッ素添加は行われていませんが、フッ素入りの歯磨き粉やフッ素塗布などの方法でフッ素を活用することが推奨されています。

 

▼フッ素がむし歯予防に効果がある理由

フッ素には、以下の3つの作用によってむし歯を予防する効果があります。

 

  1. 歯の再石灰化を促進する

私たちの歯は、食事をするたびに酸によってエナメル質が溶け出す「脱灰」と、唾液の成分によって再び修復される「再石灰化」を繰り返しています。フッ素はこの再石灰化を促進し、歯の表面を強くすることでむし歯になりにくくします。

 

  1. エナメル質を強化する

フッ素がエナメル質に取り込まれると、ハイドロキシアパタイトがフルオロアパタイトという強固な構造に変化します。これにより、酸に対する抵抗力が向上し、むし歯になりにくい歯が形成されます。

 

  1. むし歯菌の活動を抑制する

フッ素には、むし歯菌の酵素の働きを抑える作用があります。むし歯菌が酸を作り出すのを防ぐことで、歯の脱灰を抑え、むし歯の発生を防ぎます。

 

こうした理由から、フッ素を適切に使用することで、むし歯のリスクを大幅に低減できることが分かっています。

 

▼フッ素の危険性について

フッ素は適切に使用する限り、人体にとって安全な成分です。しかし、誤った使い方をすると健康に悪影響を及ぼす可能性もあるため、正しい知識を持つことが大切です。

 

  1. 適切な濃度で使用すれば問題なし

フッ素入り歯磨き粉やフッ素塗布などは、歯科医師や専門機関が定めた適切な濃度で使用されており、安全性が確立されています。特に日本では、厚生労働省が推奨する基準に従い、安全な範囲でフッ素が活用されています。

 

  1. フッ素の過剰摂取に注意

一方で、大量のフッ素を摂取すると「歯のフッ素症(斑状歯)」や「骨のフッ素症」などの健康被害が報告されています。特に発育期の子どもが高濃度のフッ素を長期間摂取すると、歯に白い斑点ができることがあります。フッ素の過剰摂取による急性症状としては、嘔吐や下痢、吐き気などが挙げられます。

 

日本で一般的に使用されているフッ素入り歯磨き粉の濃度(MAX1450ppm程度)では、通常の使用量で問題が生じることはありません。しかし、小さなお子さんが歯磨き粉を誤って大量に飲み込んでしまうと、過剰摂取につながる可能性があるため、使用量を守ることが大切です。

 

  1. 適切な使用方法を守る

フッ素の効果を安全に活用するためには、次のポイントを意識しましょう。

 

歯磨き粉の使用量を守る:6歳未満の子どもには、歯磨き粉の使用量を米粒大(3歳未満)またはグリーンピース大(3歳以上)に調整する。

 

うがいの回数を調整する:フッ素の効果を高めるために、歯磨き後のうがいを1回程度に留める。

 

定期的なフッ素塗布を受ける:歯科医院で適切な濃度のフッ素塗布を受けることで、より高いむし歯予防効果が得られる。

 

適切に使用することで、フッ素は安全かつ効果的にむし歯を予防することができます。

 

▼まとめ

フッ素は自然界に存在する成分であり、適切に活用することでむし歯予防に大きな効果を発揮します。フッ素には、歯の再石灰化を促進し、エナメル質を強化し、むし歯菌の活動を抑える働きがあり、世界中の歯科医療で推奨されています。

 

一方で、過剰に摂取すると健康に影響を及ぼす可能性があるため、歯磨き粉の使用量やうがいの回数など、適切な使用方法を守ることが重要です。歯科医院でのフッ素塗布を定期的に受けることも、効果的なむし歯予防につながります。

 

おもと歯科クリニックでは、患者さん一人ひとりに合ったむし歯予防のアドバイスを行っています。お子さんの歯を守るためにも、ぜひお気軽にご相談ください。

 


記事の監修
おもと歯科クリニック
院長 尾本直大
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