皆さん、こんにちは。大阪府箕面市のおもと歯科クリニックです。
お子さんの歯を健康に保つために、フッ素塗布が有効であることは多くの方がご存じかと思いますが、「フッ素塗布はいつから始めればいいの?」「本当に安全なの?」といった疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。本記事では、フッ素塗布の特徴や効果、推奨される開始時期、安全性について詳しく解説していきます。お子さんの大切な歯を守るために、ぜひ最後までお読みください。
▼そもそもフッ素塗布とは?
はじめに、歯科医院のフッ素塗布の基本事項を確認しておきましょう。
◎フッ素塗布の特徴と効果
フッ素塗布とは、歯の表面に高濃度のフッ素を塗布することで、むし歯の予防を目的とする処置です。フッ素には、歯の再石灰化を促進し、酸による歯の溶解(脱灰)を防ぐ効果があります。また、細菌の働きを抑えることで、むし歯の発生リスクを低減することができます。
フッ素塗布は、特にお子さんの乳歯や生えたばかりの永久歯に効果的です。歯の表面のエナメル質が未熟なため、むし歯になりやすい時期にフッ素を取り入れることで、歯の強化を図ることができます。
◎フッ素塗布の手順
歯科医院でのフッ素塗布は以下の手順で行います。
【STEP1】歯の表面をクリーニングする。
【STEP2】乾燥させた後、高濃度のフッ素を歯に塗布する。
【STEP3】一定時間、口を閉じずに待つ。
【STEP4】施術後30分程度は飲食を控える。
この処置は3~6か月ごとに定期的に行うことで、より高いむし歯予防効果が期待できます。
◎家庭でのフッ素応用
家庭では、以下の方法でむし歯予防にフッ素を応用できます。
・フッ素入り歯磨き粉の使用(濃度に注意)
・フッ素ジェルやフッ素洗口液の活用(年齢に応じた適切な使用が必要)
▼歯科医院のフッ素塗布を始める年齢
フッ素塗布は、乳歯が生え始める生後6か月頃から可能ですが、一般的には1歳頃からの開始が推奨されます。特に、前歯が生えそろう1歳半から3歳頃は、むし歯になりやすい時期のため、フッ素塗布を定期的に行うことが重要です。
また、乳歯だけでなく、永久歯が生え始める6歳頃にもフッ素塗布を継続することで、より強い歯を作ることができます。生えたばかりの永久歯はエナメル質が未成熟であるため、この時期のフッ素塗布は特に効果的です。
▼フッ素塗布は子どもにも安全?
フッ素塗布の安全性について心配される方もいらっしゃいますが、適切な濃度と方法で使用すれば、安全にむし歯予防効果を得ることができます。
◎適切なフッ素の使用
フッ素は適切な量で使用することが大切です。歯科医院でのフッ素塗布は、専門的な知識を持つ歯科医師や歯科衛生士が行うため、安全性が確保されています。
一方で、家庭でのフッ素応用法では、誤った使い方をしないよう注意が必要です。例えば、フッ素入り歯磨き粉を過剰に使用したり、小さなお子さんがフッ素洗口液を誤飲したりすると、フッ素の過剰摂取につながる可能性があります。そのため、以下のポイントを守ることが重要です。
・3歳未満のお子さんには、フッ素濃度が1,000ppm以下の歯磨き粉を使用し、米粒程度の量にする。
・3歳以上6歳未満では、フッ素濃度1,000ppm以下の歯磨き粉を使用し、グリーンピース程度の量にする。
・6歳以上では、1,000~1,500ppmのフッ素入り歯磨き粉を適量使用する。
・フッ素洗口液の使用は、うがいがしっかりできる年齢になってから。
◎フッ素症のリスクは?
フッ素を過剰に摂取すると、フッ素症と呼ばれる歯の白斑が生じることがあります。しかし、これは主にフッ素を長期間過剰摂取した場合に起こるものであり、適切な使用量を守ればリスクはほとんどありません。
また、フッ素の急性症状として、誤って高濃度のフッ素を大量に摂取した場合には、吐き気や嘔吐、腹痛、めまいなどの症状が現れることがあります。特に小さなお子さんがフッ素入り歯磨き粉を大量に飲み込んでしまうと、フッ素中毒を引き起こす可能性があります。万が一、誤飲した場合はすぐに水や牛乳を飲ませ、症状が続く場合は医療機関を受診することが重要です。ただし、通常の使用範囲内ではこのようなリスクは極めて低いため、正しい使用方法を守れば安全にむし歯予防が可能です。
▼まとめ
フッ素塗布は、むし歯予防に有効な方法であり、乳歯が生え始める1歳頃から始めるのが理想的です。特に、1歳半から3歳、6歳頃といった時期は、フッ素塗布の効果を最大限に活かすチャンスです。また、フッ素の適切な使用を守ることで、安全にむし歯予防を行うことができます。
お子さんの大切な歯を守るために、定期的なフッ素塗布と、日々の適切なケアを心がけましょう。当院では、お子さんに合ったフッ素塗布の方法を提案し、むし歯になりにくい口内環境をサポートしております。気になることがあれば、ぜひお気軽にご相談ください。
記事の監修 おもと歯科クリニック 院長 尾本直大 ![]() |