皆さん、こんにちは。大阪府箕面市のおもと歯科クリニックです。
お子さんの歯をむし歯から守るために欠かせないのが、毎日の歯磨きです。しかし、「子ども用の歯磨き粉はどれを選べばいいの?」「フッ素入りのものを使っても大丈夫?」と悩まれる親御さんも多いのではないでしょうか。歯磨き粉選びは、お子さんの歯の健康を守るためにとても重要です。
そこで本コラムでは、子どもの歯磨き粉はフッ素入りが基本である理由、選び方のポイント、使用時の注意点について詳しく解説します。正しい知識を身につけ、お子さんの歯を健康に保ちましょう。
▼歯磨き粉は「フッ素入り」が基本
むし歯予防のために、子ども用の歯磨き粉はフッ素入りを選ぶのが基本です。フッ素には、歯の再石灰化を促し、むし歯の原因となる酸に強い歯質を作る働きがあります。特に、乳歯や生えたばかりの永久歯はむし歯になりやすいため、フッ素の力を活用することが大切です。
日本小児歯科学会や日本歯科医師会でも、年齢に応じた適切な濃度のフッ素を含む歯磨き粉の使用を推奨しています。具体的には、
6カ月~2歳:1,000ppmのフッ素を含む歯磨き粉を米粒程度(1~2mm程度)
3~5歳:1,000ppmのフッ素を含む歯磨き粉をグリーンピース程度(5mm程度)
6歳以上:1,500ppmのフッ素を含む歯磨き粉を1~2cm程度
といった量が目安になります。適切な量を守れば、フッ素の恩恵を受けつつ、安全に使用できます。
▼子どもの歯磨き粉の選び方
お子さんに合った歯磨き粉を選ぶために、以下のポイントをチェックしましょう。
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フッ素濃度を確認する
歯磨き粉のパッケージにはフッ素濃度(ppm)が記載されています。前述した年齢ごとの推奨濃度に合ったものを選ぶようにしましょう。
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研磨剤の有無
大人用の歯磨き粉には研磨剤が含まれているものが多いですが、子ども用は基本的に研磨剤が少ない、または含まれていないものが望ましいです。乳歯や生えたての永久歯は柔らかいため、研磨剤が強すぎると傷つく恐れがあります。
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発泡剤の有無
発泡剤が多く含まれていると、泡立ちが強くなり、すぐに「しっかり磨けた」と錯覚してしまいます。その結果、十分に歯磨きができず、むし歯のリスクが高まる可能性があります。発泡剤の少ないものを選ぶと、より丁寧に磨くことができます。
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お子さんが好むフレーバー
嫌がらずに歯磨きを続けられるように、お子さんが好きな味の歯磨き粉を選ぶことも大切です。ただし、甘すぎるものや香料が強すぎるものは避けるようにしましょう。
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安全性の確認
誤って飲み込んでしまうことを考慮し、安全性の高い成分で作られたものを選ぶことが大切です。「食品由来成分使用」や「低刺激」と記載されたものを選ぶと、安心して使用できます。
▼子どもの歯磨き粉の選び方・使い方の注意点
子どもの歯磨き粉を選ぶ、もしくは使う際には、以下の点に注意しましょう。
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フッ素の適量を守る
フッ素はむし歯予防に有効ですが、大量に摂取するとフッ素症(歯のエナメル質に白い斑点ができる状態)になるリスクがあります。適切な使用量を守り、うがいができる年齢になったらしっかりすすぐことを習慣づけましょう。
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大人用の歯磨き粉は避ける
大人用の歯磨き粉はフッ素濃度が高かったり、刺激の強い成分が含まれていたりするため、子どもには適しません。子ども専用の歯磨き粉を選ぶことが重要です。
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定期的に種類を見直す
お子さんの成長に伴い、フッ素の推奨濃度も変わっていきます。年齢に合った歯磨き粉を選び続けるために、定期的に見直すことをおすすめします。
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歯磨き粉を使う習慣をつける
「歯磨き粉を嫌がる」「泡立ちが苦手」というお子さんもいますが、むし歯予防のためにフッ素入りの歯磨き粉を使用することが大切です。少量から始め、徐々に慣らしていきましょう。
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親が仕上げ磨きをする
子ども自身では十分に歯を磨けないため、親御さんが仕上げ磨きを行うことが重要です。特に6歳頃までは、しっかりと磨けているか確認しながらケアをしてあげましょう。仕上げ磨きをやめるタイミングは、個々のケースによって大きく異なります。一般的には小学校中学年くらいでひとり磨きが身に付くため、そのタイミングで仕上げ磨きをやめても良いですが、不安な点があるのなら小学校高学年まで継続しても何ら問題はありません。
▼まとめ
お子さんの歯をむし歯から守るためには、フッ素入りの歯磨き粉を使用することが基本です。年齢に応じた適切なフッ素濃度のものを選び、安全に配慮しながら使用しましょう。また、研磨剤や発泡剤の有無、フレーバーなども考慮し、お子さんに合った歯磨き粉を選ぶことが大切です。
さらに、適量を守る、定期的に種類を見直す、親が仕上げ磨きをするなどの注意点を意識することで、より効果的なむし歯予防が可能になります。日々の歯磨きを習慣化し、お子さんの健やかな口腔環境を守りましょう。
記事の監修 おもと歯科クリニック 院長 尾本直大 ![]() |